「もう遅い」は思い込みです
65歳を過ぎると、「今さら資産運用なんて…」と感じる方が多いようです。しかし、それは大きな思い込みです。
日本人の平均寿命は男性で約81歳、女性で約87歳。65歳から20年以上の時間があります。この期間をどう過ごすかによって、老後の豊かさは大きく変わります。
大切なのは「増やす」ことだけではありません。いつ・いくら使うかを計画し、お金が尽きないよう管理すること、これが65歳からの資産運用の本質です。
まず「見える化」から始めよう
資産運用の第一歩は、現状を数字にすることです。以下の3つを書き出してみてください。
① 今持っている資産の総額
預貯金・退職金・年金・保険の解約返戻金など、すべてを合計します。
② 毎月の収入と支出
年金収入はいくらか、生活費・医療費・趣味の費用はいくらか。月々の収支を把握します。
③ 何歳までの計画を立てるか
90歳、あるいは100歳まで想定しておくと安心です。
この3つが揃えば、簡単なシミュレーションができます。たとえば「資産2,000万円・毎月5万円の赤字・90歳まで」なら、25年×5万円×12カ月=1,500万円の取り崩しが必要。残り500万円を運用に回す余裕が生まれます。
65歳からの運用 3つの基本ルール
ルール1:使う時期で分けて考える
5年以内に使うお金は定期預金など安全な場所へ。10年以上使わないお金は、インデックス投資や債券などで少しずつ育てる。時期ごとに置き場所を変えることがリスク管理の基本です。
ルール2:NISAは65歳からでも有効
2024年からスタートした新NISAは、年齢制限がありません。65歳でも口座を開設でき、運用益が非課税になります。毎月少額でも積み立てることで、10年後の自分への贈り物になります。
ルール3:柔軟に見直す仕組みを作る
体の状況、家族構成、物価の変化によって、必要なお金は変わります。年に一度、シミュレーションを更新する習慣をつけましょう。
今注目 子どものNISAで世代をまたいだ設計を
2025年から「子どもNISA」が始まりました。これは子どもや孫の将来のために、保護者が積み立てられる制度です。
祖父母が孫のために積み立てる、という使い方も可能です。自分の老後資産をしっかり確保したうえで、余裕のある範囲で孫の未来に投資する。これが、家族全体の資産設計という新しい考え方です。
お金は一人のものではなく、家族でつなぐものという視点が、これからの時代はますます重要になっていきます。
具体的なシミュレーション例
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現在の資産 | 2,500万円 |
| 毎月の年金収入 | 18万円 |
| 毎月の生活費 | 22万円 |
| 毎月の赤字 | ▲4万円 |
| 90歳までの必要額 | 25年×48万円=1,200万円 |
| 運用に回せる資産 | 約1,300万円 |
このケースでは、1,300万円を低リスクで年1〜2%運用するだけで、資産が大きく長持ちします。「シミュレーションしてみたら、意外と余裕があった」という方も少なくありません。
まとめ 今日できる一歩
65歳からの資産運用で大切なのは、完璧な計画より、始めることです。
✅ 資産・収支を書き出して「見える化」する
✅ 使う時期で置き場所を分ける
✅ NISAを活用して非課税で育てる
✅ 家族全体でお金の未来を考える
難しい知識は後からついてきます。まずは今日、自分の資産を紙に書き出すところから始めてみてください。