シルバー人材センターで3年間働いていると、時々こんな質問を受けました。
「どうして65歳を過ぎても働くのですか。」
私は、そのたびに少し考えます。
答えは、一つではないからです。
もちろん、収入を得ることも大切な理由でした。
年金だけでは、将来への不安がまったくないとは言えません。
だから働けるうちは、少しでも収入を増やしたいと思いました。
でも、それだけではありません。
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私には孫がいます。
お正月、お盆、冬休みになると実家へ帰ってきます。
その日が近づくと、「今年は何を用意しようかな」と考えるのが楽しみでした。
お楽しみ袋を準備したり、入学のお祝いを贈ったり。
孫の喜ぶ顔を見ることは、私にとって何よりの幸せでした。
そのためのお金を、自分で働いて準備したかったのです。
また、毎月いただく収入のすべてを使うことはしませんでした。
私は、いただいたお金の一部を将来のために貯金していました。
その理由は、自分の老後を考えていたからです。
母は現在98歳です。
有料老人ホームで生活し、土日には自宅へ帰ってきます。
母の暮らしを見ていると、「私も将来は施設でお世話になる日が来るかもしれない」と考えるようになりました。
その日のために、少しずつ準備をしておきたい。
それが、私の小さな目標でした。
一緒に働いていた皆さんも、それぞれ目的を持っていました。
旅行を楽しむために働く人。
グラウンドゴルフやゴルフの費用を準備する人。
趣味を充実させるために働く人。
皆さん、それぞれの人生を楽しむために働いていました。
その姿を見て、「働く理由に正解はない」と感じました。
最近になって、以前より考えることがあります。
「もし自分が突然病気になったらどうしよう。」
年齢を重ねると、健康でいられることが当たり前ではないと実感します。
会社員として働いていた頃は、老後のお金について深く考えたことはありませんでした。
毎月給料が入り、仕事もありました。
しかし、年金生活になると、お金の使い方や備えについて考える機会が増えます。
長生きは幸せなことです。
でも、長生きするほど生活費や医療費など、お金が必要になる場面もあります。
だから私は、働けるうちに少しでも準備をしておこうと思いました。
もちろん、お金は大切です。
でも、3年間働いて分かったことがあります。
それは、お金だけでは人生は豊かにならないということです。
職場で交わした「おはようございます」。
利用者の方からいただいた「ありがとう」。
一緒に働く仲間との何気ない会話。
そうした時間は、お金では買うことができません。
私はシルバー人材センターで、お給料だけではなく、人とのつながりや、生きがいもいただきました。
そして、「働けることのありがたさ」を改めて知りました。
これからも、自分の健康を大切にしながら、無理をせず、自分らしい老後を過ごしていきたいと思っています。
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- 第2話 初めての夜間管理。不安だった私を支えてくれた先輩の一言
- 第3話 夜間管理の仕事で学んだ、人とのつながりの温かさ
- 98歳の母と過ごす日々
- 終活を始めて気づいた本当に大切なこと
次回予告【最終話】
【第5話】65歳からの3年間。私が本当に手に入れた人生の宝物。
お給料は生活を支えてくれました。
しかし、3年間を振り返ると、一番心に残っているのは別のものでした。
人生の第二章で出会った人たち、働く喜び、そして「まだ自分にもできることがある」という自信。
最終話では、シルバー人材センターで働いた3年間を振り返りながら、本当に得た宝物についてお話しします。
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