こんにちは、自由まなぶです。
家庭菜園というと、定年後の趣味というイメージがあります。
しかし私の場合は少し違います。
土に触れ始めたのは50歳頃でした。
当時、近所のJAが貸し出していた貸農園を家内と借りました。
広さは6畳ほど。
決して広くはありません。
それでも私たちには十分な広さでした。
春になるとスーパーの店先に苗が並びます。
トマト。
キュウリ。
ナス。
ピーマン。
そして少しだけ奮発してスイカの苗。
毎年、その苗を見るのが楽しみでした。
しかし私は農業経験などありません。
何を植えればいいのかも分からない。
肥料もよく分からない。
それでも見よう見まねで始めました。
当時の私は会社員でした。
朝6時半には家を出ます。
都内まで通勤です。
帰宅は夜10時になることも珍しくありませんでした。
今思えば、かなり忙しい生活でした。
平日は仕事。
休日だけが自分の時間でした。
土曜日は半ドン。
午前中で仕事を終え、都内をぶらぶら歩きながら買い物をする。
夕飯のおかずを買って帰宅する。
そして家族みんなで食卓を囲む。
そんな時代でした。
日曜日になると畑へ向かいます。
苗が元気に育っているか確認する。
雑草を抜く。
水をやる。
ただそれだけです。
しかし、その時間が不思議と心地よかったのです。
仕事では数字に追われます。
納期にも追われます。
人間関係にも気を使います。
しかし畑の野菜は文句を言いません。
昨日より少し大きくなった葉っぱ。
新しく咲いた花。
小さな実。
それを見るだけで嬉しくなりました。
収穫の時はもっと嬉しいものでした。
家内と一緒に収穫したトマト。
採れたてのキュウリ。
ナスの味噌炒め。
決して高級な料理ではありません。
それでも自分たちで育てた野菜は格別でした。
今振り返ると、私は野菜を育てていたのではなく、野菜に育てられていたのかもしれません。
忙しい会社員生活の中で、
焦る心を落ち着かせ、
家族との時間を作り、
季節を感じる心を思い出させてくれた。
それが土でした。
だから私は今でも思います。
土は野菜だけではなく、人の心も育ててくれる。
あの小さな貸農園がなければ、今の私は少し違っていたかもしれません。
野菜づくり初心者だった私を救ってくれたのは、
立派な収穫ではなく、
毎週土に触れる時間そのものだったのです。
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