ついに、この日がやってきました。
毎日楽しみにしていたトマトの収穫の日です。
その日は朝から雨でした。
雨粒をまとった真っ赤なトマトを見ながら、「本当にここまで育ってくれたんだな」と、しみじみ感じました。
私は農業高校を卒業したわけでもなく、家庭菜園の経験もほとんどありません。
ホームセンターで苗を買い、手作りの木製プランターに植え、毎朝と夕方、水をあげ、肥料をやりながら育ててきました。
まるで孫の成長を見守るような気持ちでした。
家庭菜園を始めて初めて知ったこともあります。
トマトは約40日ほどで収穫できるようになることです。
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毎日少しずつ変わる姿を見るのが、本当に楽しみでした。
この日は10個ほど収穫しました。
台所でやさしく水洗いをして、お昼の食卓へ並べます。
いよいよ、自分で育てたトマトを口にする瞬間です。
一口かじると、思わず「おいしい」と声が出ました。
スーパーで買うトマトとは少し違う、青い香りとみずみずしさが口いっぱいに広がりました。
その香りが、子どもの頃の夏を思い出させてくれました。
私が子どもの頃には、今のようなミニトマトはほとんどありませんでした。
畑には大きなトマトが実り、近所の方が「食べてみなさい」と分けてくださることもありました。
新聞紙にひとつまみの塩を包んで持ち歩き、真っ赤に熟したトマトをいただいて、少し塩をつけて食べたあの味。
太陽の光をたっぷり浴びたトマトは、甘みと香りが格別でした。
今年、自分で育てたトマトを食べた瞬間、その懐かしい夏の思い出が一気によみがえりました。
家庭菜園は、野菜を育てるだけではありません。
昔の記憶を呼び起こし、季節の移ろいを感じさせ、毎日に小さな楽しみを与えてくれます。
今ではトマトが毎日のように赤く実っています。
収穫するたびに笑顔になり、「今日は何個採れるかな」と庭へ出るのが日課になりました。
近くに住む娘にも、「トマトがたくさんできたから、みんなで取りにおいで」と声をかけました。
孫たちが「おいしい」と食べてくれる姿を思い浮かべるだけで、また来年も育てようという気持ちになります。
退職後に始めた家庭菜園は、私に健康だけでなく、生きがいも与えてくれました。
土に触れ、野菜を育て、収穫し、家族と分け合う。
そんな何気ない毎日が、今では何よりの幸せです。
これからも季節の野菜を育てながら、小さな感動を、このブログで皆さんにお届けしたいと思います。
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- 第1話 土いじりが教えてくれた、心と体が元気になる家庭菜園のある暮らし
- 第2話 毎日の水やりが楽しみに。小さな苗が教えてくれた「待つこと」の大切さ。
- 第3話 初めての花が咲いた日。小さな変化が、こんなにうれしいなんて。
- 第4話 初めて実がついた日。赤く色づくのを待つ毎日が、こんなに楽しいなんて。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからも、季節の野菜づくりや、年金生活の中で見つけた小さな幸せをお届けしていきます。