長年一緒に暮らしている愛犬を眺めていると、最近よく考えることがあります。
「ペット保険は、本当に必要だったのだろうか。」
若い頃は、そんなことを考えたこともありませんでした。
私自身、人間の保険も必要最低限しか加入していませんでした。
「毎月保険料を払うくらいなら、その分を貯金したほうがいい。」
そんな考え方だったのです。
ところが、人生には予想できない出来事があります。
父は、がんで亡くなりました。
その出来事がきっかけとなり、「母だけは守りたい」という思いから、給料天引きで母のがん保険を長年払い続けました。
もし病気になったらどうしよう。
入院したら困るだろう。
そんな不安があったからです。
しかし、時は流れ、母は98歳になりました。
ありがたいことに大きな病気もなく、現在は有料老人ホームで穏やかな毎日を送っています。
土日には自宅へ戻り、自分の家でゆっくり過ごす時間も楽しみにしています。
ある日、母はこんなことを言いました。
「もう十分長生きしたよ。これ以上は贅沢だね。」
その言葉を聞いたとき、胸が熱くなりました。
元気でいてくれることは、家族にとって何よりもうれしいことです。
その一方で、長生きすることへの本人なりの思いもあるのだと感じました。
そして私は、長年払い続けてきたがん保険を見直しました。
計算してみると、支払った保険料の総額は、受け取れる保障額を超えていました。
そこで保険を解約しました。
もちろん、「掛けなければよかった」と思ったことは一度もありません。
当時は必要だと信じて加入した保険です。
もし病気になっていたら、「入っていてよかった」と思っていたでしょう。
保険とは、結果だけでは評価できないものなのだと思います。
損か得かではなく、「安心」を買うためのもの。
そう考えるようになりました。
そんな経験をした今、私は愛犬を見ながら考えています。
高齢になれば、人間と同じように病院へ通う機会が増えます。
診察代、検査代、薬代、手術代…。
決して安いものではありません。
「もし保険に入っていたら。」
「いや、入らなくてもよかったのかもしれない。」
その答えは、今でも分かりません。
ただ一つ確かなことがあります。
ペットは家族です。
だからこそ、お金だけでは判断できない悩みがあります。
そして、一緒に過ごせる時間は、お金では買えません。
毎日の散歩。
ご飯を食べる姿。
眠っている穏やかな表情。
どれも、かけがえのない時間です。
だから私は、これからも一日一日を大切に過ごしていきたいと思っています。
もし皆さんも長年連れ添ったペットがいるなら、一度「保険」だけでなく、「これから一緒にどう過ごしたいか」を考えてみてはいかがでしょうか。
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次回は、「高齢になったペットの医療費。実際に感じた現実」についてお話しします。