
今日は、
ちょっとだけ心がほぐれる出来事がありました。
いつものように JA のスーパーへ買い物に行ったんですが、
野菜コーナーで大根を手に取って戻ったとき、
なんと 自分のカートが消えている んです。
「えっ?ここに置いたよなぁ…?」
一瞬、ボケたのかと思いました。
少し探してみると、
通路の向こうをゆったり歩く、
腰が曲がったおばあちゃん が、
私のカートらしきものを押して歩いているのが見えました。
「あの〜、すみません。それ、もしかして私のカートかも…」
声をかけると、
おばあちゃんは驚いた顔で振り返り、
「えっ、ほんま?あらぁ、
ごめんなさいねぇ。これ、私のかと思って…よう見えんので…」
と、申し訳なさそうに笑いました。
カートにはおばあちゃんの買い物かごが
ちょこんと乗っていて、どうやら本当に間違えて
持って行ってしまったようです。
「大丈夫ですよ。誰でもありますよ」
私がそう言うと、おばあちゃんはホッとしたように、ふっと笑って、
「優しいねぇ。こんな歳になると、
ちょっとのことでも助かるんよ」
なんて言われて、逆にこちらが温かい気持ちになりました。
カートを交換して、
それぞれ別の方向へ歩き始めたんですが、
なんだか胸の中がほんのり温まったまま。
最近は、ちょっとしたことで
イライラすることも多いけれど、
こんな小さな交流があるだけで、
世の中まだまだ捨てたもんじゃないなぁと思いました。
「ありがとうねぇ」
おばあちゃんのその一言が、今日いちばんの癒しだった気がします。
