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【第23話】元気なうちに行きたい場所がある――「いつか」はいつ来る?

「いつか行ってみたい」

そんな場所が、皆さんにもあるでしょう。

私にもあります。

温泉へ行きたい。

季節の景色を見たい。

知らない町を歩いてみたい。

昔から気になっていた場所へ行ってみたい。

現役時代は、

「定年したら行こう」

と思っていました。

仕事が終われば時間ができる。

そう考えていたからです。

ところが、実際に定年すると、今度は別の問題が出てきました。

「お金は大丈夫かな」

「体調は大丈夫かな」

「家内は行きたいかな」

「今月は出費が多いから、また今度にしよう」

こうして「また今度」が続いていきます。

「いつか」は意外と遠い

若い頃は、明日も来年も当然あると思っていました。

でも、シニアになると、少し考え方が変わります。

来年、今と同じように歩けるだろうか。

来年、同じように旅行できるだろうか。

来年、同じ人と会えるだろうか。

そんなことを考えるようになります。

だから私は、

「いつか」を少しずつ「今」に変えていきたい

と思っています。

大きな旅行でなくてもいい

旅行というと、遠くへ行くことを考えてしまいます。

でも、そんな必要はありません。

近くの温泉。

日帰り旅行。

季節の花を見に行く。

海を見に行く。

山を見に行く。

普段行かない町へ行ってみる。

これも立派な旅行です。

お金をたくさん使わなくても、知らない景色を見るだけで気分が変わることがあります。

夫婦で同じ場所へ行く必要もない

夫婦で旅行をする場合、趣味が違うと難しいことがあります。

私は温泉などへ行きたい。

でも、家内はあまり外へ出たくない。

そんな違いもあります。

以前なら、

「夫婦なのだから一緒に行くべき」

と思っていたかもしれません。

でも、今は少し違います。

一緒に行けるところは一緒に行く。

難しいところは、それぞれの時間を持つ。

それでもいいのではないでしょうか。

元気なうちに見る景色

私が大切にしたいのは、

「今の自分だから見られる景色」

です。

歩けるうちに歩く。

車を運転できるうちに行く。

温泉に入れるうちに入る。

家族と出かけられるうちに出かける。

もちろん、無理をする必要はありません。

体調と相談しながら、できる範囲でいい。

最後に

人生には、いつか終わりが来ます。

これは悲しい話ではなく、誰にでも訪れる現実です。

だからこそ、

「いつかやろう」

だけで終わらせたくない。

行きたい場所があるなら、行ける方法を考える。

遠ければ近い場所に変える。

一泊が無理なら日帰りにする。

それでもいい。

人生の楽園は、遠くにあるとは限りません。

家から少し離れた場所にあるかもしれない。

近所の温泉かもしれない。

家族との食事かもしれない。

庭の花かもしれません。

「行きたい」と思った気持ちを大切にする。

それが、残りの人生を楽しむための一歩なのだと思います。