謙虚な気持ちで自由なブログを配信しています。どうぞお手柔らかに。

【第13話】年金生活は教科書だけでは分からない――生活者だから分かる家計の知恵

定年して年金生活になると、現役時代とはお金の感覚が変わります。

会社員の頃は、毎月給料が入ってきました。

多少の出費があっても、

「来月また給料が入る」

という気持ちがありました。

ところが、定年して年金生活になると、その感覚が変わります。

毎月入ってくるお金がある程度決まっている。

その中から、食費、光熱費、車、病院、薬、家のことなどをやりくりしなければなりません。

そこで初めて、

「お金は、あるだけ使ってはいけないんだ」

と実感するようになります。

年金はいくらあれば安心なのか?

よく、

「老後には○○万円必要」

「老後資金は○○万円」

という話を耳にします。

もちろん、こうした数字を知ることは大切です。

でも、私は数字だけでは分からないことも多いと思います。

住んでいる場所によって生活費は違います。

都会なら車が必要ないかもしれません。

一方、地方で暮らしていると、スーパーや病院へ行くために車が必要になることもあります。

持ち家なのか、賃貸なのか。

住宅ローンが残っているのか。

夫婦二人なのか、一人暮らしなのか。

病院へどれくらい通うのか。

それぞれの生活によって必要なお金は違います。

だから、

「老後はいくら必要です」

という一つの答えだけでは、自分の生活には当てはまらないこともあります。

実際に生活してみて分かる「小さな出費」

年金生活で怖いのは、大きな買い物だけではありません。

毎日の小さな出費です。

スーパーで、

「これくらいならいいか」

と思って買ったもの。

コンビニで買った飲み物。

何となく始めた有料サービス。

使っていないのに払い続けているもの。

一回だけなら大した金額ではありません。

でも、一か月、一年と積み重なると、かなりの金額になります。

だから私は、定年後になってから、

「本当に必要なのか?」

と考えるようになりました。

スーパーでは値引き商品も味方になる

我が家では、妻がスーパーへ買い物に行きます。

私は一緒について行き、カートを押します。

そこで気になるのが、値引きシールです。

同じ商品でも、時間が経てば値引きされることがあります。

もちろん、必要なものを買うことが前提です。

安いからといって、必要のないものまで買えば節約にはなりません。

でも、どうせ買うものなら、少しでも安く買う。

こうした小さな積み重ねも、年金生活では大切だと思います。

「節約=我慢」ではない

節約というと、

「何も買わない」

「旅行もしない」

「外食もしない」

そんなイメージを持つ人もいるでしょう。

でも私は、節約は我慢大会ではないと思っています。

大切なのは、

「何にお金を使いたいのか」

を決めることです。

例えば、毎日の食費はできるだけ抑える。

その代わり、年に一度は夫婦でどこかへ出かける。

欲しいものを何でも買うのではなく、本当に欲しいものにはお金を使う。

こうすれば、節約と楽しみを両立できます。

年金生活だからこそ、

「使わないこと」ではなく、

「使うところを選ぶこと」

が大切なのではないでしょうか。

私が考える「年金生活の家計簿」

年金生活になったら、一度は家計を見えるようにしてみる。

これは大切だと思います。

毎月、

・年金はいくら入るのか
・食費はいくらか
・光熱費はいくらか
・通信費はいくらか
・車にいくらかかるのか
・病院や薬にいくら使うのか
・その他にいくら使っているのか

ざっくりでもいいので書いてみる。

すると、

「思ったより電気代が高い」

「外食に結構使っている」

「この支払いは必要なのかな?」

ということが見えてきます。

家計簿は、単に節約するためだけのものではありません。

自分の人生に、お金をどう使っているのかを見るためのもの

だと思います。

年金を「使い切る」ことも考える

年金生活になると、

「できるだけお金を残さなければ」

と考える人も多いでしょう。

もちろん、将来の病気や介護、家の修理などを考えて、ある程度のお金を残しておくことは大切です。

でも、何もかも我慢して、最後までお金を使わないというのも考えものです。

歩けるうちに行きたい場所へ行く。

食べられるうちに好きなものを食べる。

会いたい人に会う。

やってみたいことに挑戦する。

シニアになると、

「いつかやろう」

の「いつか」が、いつ来るのか分かりません。

だからこそ、健康なうちに使うお金も必要だと思います。

お金と健康はつながっている

そして、年金生活を考えるときに忘れてはいけないのが健康です。

お金があっても、体が動かなければ旅行に行くのは難しくなります。

逆に、健康でもお金がなければ、できることが限られます。

だから私は、

「お金」と「健康」は別々ではない

と思っています。

健康を維持するために、歩く。

食事に気をつける。

病院へ行く。

薬をきちんと飲む。

こうしたことも、老後のお金を守ることにつながっていくのかもしれません。

もちろん、病気を完全に防ぐことはできません。

だからこそ、できることを少しずつやっていく。

それでいいのだと思います。

「生活者の知恵」は誰かの役に立つ

年金生活を何年か経験すると、

「これはやっておいてよかった」

「これは失敗した」

ということが出てきます。

その経験こそ、生活者の知恵です。

専門家が教える家計管理も大切です。

でも、実際に年金で暮らしている人が、

「我が家ではこうしています」

と話すことにも価値があります。

同じシニアなら、

「それ、分かる」

「我が家も同じだ」

と思うことがあるかもしれません。

逆に、

「そんな方法があるのか」

と参考になることもあるでしょう。

老後のお金に「正解」は一つではない

老後のお金について、誰にでも当てはまる正解はないと思います。

年金の額も違います。

住んでいる場所も違います。

家族構成も違います。

健康状態も違います。

だから、

「他人と比べすぎない」

ことも大切なのではないでしょうか。

大切なのは、

「自分の家計はどうなっているのか」

「これから何にお金を使いたいのか」

「どこを節約できるのか」

を自分で考えることです。

最後に――年金生活は「お金の使い方」を学ぶ時間

年金生活になって初めて、私はお金について以前より考えるようになりました。

現役時代は、

「稼ぐこと」

が中心でした。

でも、定年後は、

「限られたお金を、どう使うか」

が大切になります。

食費を抑える。

無駄な支出を減らす。

必要なところには使う。

健康にもお金を使う。

そして、元気なうちに人生を楽しむ。

これも、長く生きてきた生活者だからこそ分かる知恵なのかもしれません。

年金生活は、決して楽なことばかりではありません。

不安になることもあります。

でも、だからといって毎日を我慢だけで過ごす必要もありません。

「限られたお金で、どうすれば自分らしく暮らせるか?」

それを考えることも、定年後の大切な学びだと思います。

大学教授から教わる家計の知識も大切。

専門家のアドバイスも大切。

そして、実際に年金で暮らしている私たちの経験も大切。

これからのシニアには、

「学んだこと」と「自分で経験したこと」

その両方を生かしていくことが必要なのではないでしょうか。