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【第11話】高齢者向け大学で何を学ぶ?――定年後の時間を「学び」に変えてみる

定年を迎えると、急に時間が増えます。

会社へ行く必要もない。

朝、目覚まし時計に起こされる必要もない。

「今日は何をしようか?」

そんなことを考える日も増えてきます。

私自身も、毎日が日曜日になってみて、自由な時間がこんなにあるのかと思いました。

テレビを見る。

パソコンをする。

家の用事をする。

庭のことをする。

そんなことをしているうちに、一日が終わっていきます。

もちろん、それも悪いことではありません。

でも、ふと思うことがあります。

「せっかく時間があるのだから、何か新しいことを学んでみてもいいのではないか?」

そこで気になるのが、高齢者向けの大学や講座です。

高齢者向け大学では何を学ぶのか?

「高齢者向け大学」と聞くと、少し堅苦しく感じるかもしれません。

しかし、学ぶ内容はさまざまです。

歴史や文化。

健康や運動。

社会や経済。

パソコンやスマートフォン。

趣味や芸術。

地域についての勉強。

こうしたことを専門家から学ぶ機会があります。

現役時代は、仕事や子育てで忙しく、勉強したくてもできなかった人もいるでしょう。

定年後なら、自分の興味のあることを、自分のペースで学ぶことができます。

これは、若い頃とは違った「学び」なのかもしれません。

大学教授から「老後」を教えてもらうの?

ただ、私には一つ疑問があります。

大学教授から、歴史や経済、健康について教えてもらう。

これは分かります。

でも、

「老後の暮らし」については、大学教授から教えてもらうだけでいいのだろうか?

そんな疑問もあります。

例えば、年金生活。

実際に年金だけで生活してみないと分からないことがあります。

電気代が高くなったら、どこを節約するのか。

食費をどう抑えるのか。

病院代や薬代をどう考えるのか。

車が必要な地域なら、車をどう維持するのか。

夫婦で趣味が違ったら、どうやって暮らすのか。

こうしたことは、教科書を読んだだけでは分からない部分があります。

「生活者だから分かること」がある

私は、長く生きてきたシニアには、それぞれに生活の知恵があると思います。

会社で何十年も働いてきた。

子どもを育ててきた。

家を建てた。

住宅ローンを払ってきた。

病気になって病院へ通った。

年金生活になった。

節約もしてきた。

夫婦でケンカもした。

失敗もした。

うまくいったこともある。

こうした経験は、どれも人生の教材です。

大学教授には専門的な知識があります。

一方で、私たち生活者には、実際に暮らしてきた経験があります。

どちらが上という話ではありません。

専門家から学ぶことと、生活者から学ぶこと。

この二つが合わさると、もっと面白い学びになるのではないでしょうか。

「学生」になってみるのも悪くない

定年後にもう一度、学生になってみる。

私は、それも面白いと思います。

試験に合格するためではありません。

誰かと競争するためでもありません。

「知らなかったことを知る」

「今まで興味がなかったことに興味を持つ」

「同じ年代の人と話す」

そのために大学へ行く。

これだけでも十分ではないでしょうか。

特に大切なのは、人とのつながりです。

定年すると、会社という大きな人間関係がなくなります。

毎日会っていた同僚とも、会う機会が減ります。

すると、知らないうちに人と話す時間が少なくなることがあります。

大学や講座に行けば、同じように「何かを学びたい」と思っている人と出会えます。

それだけでも、毎日の楽しみになるかもしれません。

何歳からでも「知らない」は恥ずかしくない

シニアになると、

「今さら勉強しても遅い」

と思う人もいるでしょう。

私もそう思うことがあります。

でも、知らないことを知るのに、年齢は関係ないのではないでしょうか。

若い人からスマートフォンの使い方を教えてもらう。

パソコンの便利な機能を覚える。

知らなかった歴史を知る。

健康について勉強する。

それだけでも、自分の世界は少し広がります。

そして、学んだことを誰かに話してみる。

それもまた楽しいものです。

シニアは「教わるだけの人」ではない

ここが、私が高齢者向け大学について一番考えてみたいところです。

シニアは、いつまでも「教えてもらう側」なのでしょうか。

私は、そうではないと思います。

長く生きてきたからこそ、分かることがあります。

年金生活のこと。

家計のこと。

夫婦のこと。

子育てのこと。

病院との付き合い方。

地域での暮らし。

災害への備え。

失敗した経験も含めて、それぞれの人生には、他の人にはない知恵があります。

だから、高齢者向け大学へ行くなら、

「教えてもらおう」だけではなく、「自分の経験も持って行こう」

と思います。

自分の経験が、同じ世代の誰かの役に立つかもしれない。

若い人に伝えれば、もっと役に立つかもしれない。

ブログを書くことも、その一つだと思っています。

定年後の「学び」は生きがいになる

定年後の生きがいというと、旅行や趣味を思い浮かべる人が多いでしょう。

でも、

「学ぶこと」そのものが生きがいになる

こともあると思います。

昨日まで知らなかったことを知る。

今日覚えたことを、明日誰かに話す。

そして、また新しい疑問が生まれる。

そんな繰り返しが、毎日の生活に小さな目的を作ってくれます。

「今日は大学の日だ」

「今日はこの本を読んでみよう」

「今日はパソコンで調べてみよう」

それだけでも、何となく過ぎていた一日に予定ができます。

これからの人生に「学び」を一つ加えてみる

老後には、お金の不安があります。

健康の不安もあります。

生きがいの不安もあります。

夫婦の問題もあります。

すべてを一度に解決することはできません。

でも、その中に「学び」を一つ加えてみる。

それなら、今からでもできるかもしれません。

高齢者向け大学へ行く。

地域の講座に参加する。

パソコンで調べる。

本を読む。

人の話を聞く。

そして、自分の経験を誰かに伝える。

大きなことをしなくてもいい。

「知らなかったことを一つ知る」

それだけでも、人生は少し面白くなるのではないでしょうか。

定年後は、仕事がなくなった人生ではありません。

時間ができた人生です。

その時間をどう使うかは、自分で決めることができます。

私はこれから、

「教えてもらうシニア」から「経験を伝えられるシニア」へ。

そんな生き方も考えてみたいと思います。

そして第12話では、さらに一歩踏み込んで、

「大学教授は、私たちの老後の暮らしを本当に教えられるのだろうか?」

ということを考えてみたいと思います。