会社勤めをしていた頃、勤務先から退職金の見込み額が配られる時期がありました。
年金見込み額も確認できるようになり、「老後」を少しずつ意識するようになりました。
今振り返ると、あの書類は単なる数字ではありませんでした。
「これからの人生をどう生きるか」を考えるきっかけだったのです。
しかし、その頃の私は、お金のことばかり考えていました。
健康については、「まだ大丈夫」と思っていたのです。
母からは、幼い頃の私は病気がちだったと聞いています。
風邪をひけば熱を出し、何度も病院へ連れて行ってもらったそうです。
それでも大人になり、仕事を始めると健康のことは後回しになりました。
朝早く家を出て、夜遅く帰る毎日。
忙しさの中で、自分の体に耳を傾ける余裕はありませんでした。
そんな私が40代で高血圧と診断されました。
最初は薬を飲むことに抵抗がありました。
「まだ薬に頼りたくない。」
そんな気持ちもありました。
しかし医師と相談し、治療を続けることにしました。
それから35年。
今も毎日薬を飲み続けています。
さらに15年前からは、朝と夜、ほぼ同じ時間に血圧を測ることを習慣にしています。
最近では家内も高血圧の治療を始めました。
夫婦で血圧を測る姿は、若い頃には想像もしなかった光景です。
年齢を重ねると、体は少しずつ変化します。
それは決して悲しいことではなく、「無理をしないで」という体からのメッセージなのかもしれません。
私は100歳まで生きられるか分かりません。
もし生きられるとしても、あと25年ほどです。
50代、60代の頃には、こんなことは考えもしませんでした。
仕事に追われ、毎日をこなすことで精一杯だったからです。
今になって後戻りはできません。
でも、後悔しているわけでもありません。
病気と付き合いながら、薬を飲み、血圧を測り、自分の体を少しずつ補修していく。
そう考えるようになってから、気持ちがずいぶん楽になりました。
退職金や年金は、老後を支える大切な資金です。
だからこそ、現役のうちに見込み額を確認し、自分に必要な生活費を考えておくことが大切です。
そして、もう一つ忘れてはいけないのが健康です。
健康でいるからこそ、退職金も年金も、自分らしい人生のために使うことができます。
私が60代になってたどり着いた答えは、とてもシンプルでした。
「老後の準備とは、お金を準備することと、健康を守ること。その両方なのだ。」
今日も血圧計に腕を通しながら、「今日も元気に過ごせた」と思える一日に感謝しています。
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