小さな奇跡のような瞬間
ある日、バイクに乗って山道を4時間かけて
走ったときのことです。
山の頂上にはジャングルに囲まれたカフェがあり、
そこで飲んだ一杯のコーヒーが、
思いがけない心の変化をもたらしてくれました。
コーヒーカップを手にテラスに立ち、
谷を見下ろすと、サルたちが元気に飛び回っていました。
その景色を見ながら、「もう何も欲しいものはない」と
感じたのです。
ただそこにいて、何も求めていない。
その瞬間、心の奥から自然に笑顔がこぼれてきました。
「今、ここ」にいることの意味
その時、過去のことも未来のことも頭にはなく、「今この瞬間」にただいることができました。そんなとき、人は本当の意味で「満たされている」と感じられるのです。
この「満たされる感覚」は、友だちや家族、恋人との関係の中でも味わうことがあります。でも、誰かに頼っていると、その人がいないときに心が空っぽになってしまうかもしれません。
だからこそ、大切なのは「自分一人でもその状態になれること」。誰かがそばにいればうれしいけれど、いなくても心が笑っていられる。そんな心の強さを持つことが目標です。
「計画しすぎる」ことの落とし穴
人生をしっかり計画するのは大事です。でも、すべてを決めすぎてしまうと、「未来の楽しみ」が減ってしまうこともあります。たとえば、10年後の自分がどうなっているかを今すべて知っていたら、毎日はワクワクしないかもしれません。
大切なのは「方向性」を持ちながら、「道中の出会いや出来事に心を開いておくこと」です。予想外のことが起こるからこそ、人生にスパイスが加わります。
「足りない」と思い続けるクセ
スマホがなかった時代には、誰もが「欲しい!」と思ってがんばって働いて手に入れました。でも、手に入れたら、また次の欲しいものが出てきます。この「もっともっと」という気持ちは、止まることがありません。
だからこそ、たまには立ち止まって考えることが大切です。「今の人生で、本当にしたいことはなんだろう?」と。
「スキル」と「努力」の関係
たとえば、100回の腕立て伏せをできるようになるには、毎日のトレーニングが必要です。最初はつらくても、少しずつ続けることでできるようになります。
これは人生にも同じことが言えます。心や考え方の力も、毎日の小さな努力で育てていくものです。何かに本気で取り組むことで、だんだんと自信もスキルも育っていきます。
「今あるもの」を楽しむ力
とてもきれいな場所にいても、「心ここにあらず」では楽しめません。体はそこにあっても、心が「次のこと」を考えていると、今の幸せに気づけないのです。
「もっと欲しい」と思う気持ちも大切ですが、「今ここにあるものをしっかり感じる力」も、それと同じくらい大切です。
「視点を増やす」ことの大切さ
最後に、人と話したり、いろんな考えを聞くことも大切です。親や先生、友だち、先輩など、自分とは違う視点を持っている人と話すことで、物の見方が増えます。
たくさんの視点を持てると、いろんな選択肢が見えてきます。そして、どれを選ぶかは「自分の責任で決める」。それが、自分の人生を生きるということです。
■まとめ:人生は「今ここ」から始まる
人生に正解はありません。でも、「今ここにいること」に気づくことは、誰にでもできる第一歩です。何も特別な道具も、お金もいりません。
静かな瞬間に、自分の心が笑っていることに気づけたら、それはきっと「本当の満たされる瞬間」です。そこから、自分だけの豊かな人生が始まっていきます。