品川駅をスタートするリニアモーターカー
今、品川地下500mを掘り西に進みながら進行中
時速500キロメートルで 走るリニアモーターカー。
実は、この技術が 宇宙エレベーターにも 使われています。
磁石の力で浮いて進む リニアモーターカーと、
ケーブルを登る 宇宙エレベーターは、
同じ原理で動くのです。
電気を使って動き、 電気で止まる。
部品が摩耗しにくく、 メンテナンスも楽。
しかも環境に優しい。
2027年に開業予定の リニアモーターカーで
実証された技術が、 2050年の宇宙エレベーターに 活かされます。
身近な乗り物から学ぶ 宇宙エレベーターの
すごい仕組みを わかりやすく説明します。
目次
- リニアモーターカーってどんな乗り物?
- 宇宙エレベーターとの共通点
- 違いから見える工夫
- リニア技術が宇宙を拓く
リニアモーターカーってどんな乗り物?
浮いて走る超高速列車
リニアモーターカーは、 日本が世界に誇る 最先端の乗り物です。
時速500キロメートル、 最高で時速603キロメートルの 記録も出しています。
新幹線の約2倍の 速さです。
2027年に 東京・名古屋間で 開業予定で、 現在3時間かかる距離を 40分で結びます。
すごい速さですよね。
磁石の力で10センチ浮く
リニアモーターカーの 最大の特徴は、 レールに触れずに 浮いて走ることです。
車体の下にある 超電導磁石が、 レールの磁石と 反発し合って 約10センチ浮きます。
磁石の同じ極同士は 反発しますよね。
その力を使って 浮いているのです。
浮いているから、 摩擦がなく、 とても速く走れます。
電気で動き電気で止まる
リニアモーターカーは、 電気の力だけで 動きます。
ガソリンや軽油は 一切使いません。
電気を流すと 磁石の力が変化して、 前に進みます。
止まるときも 電気の力です。
電気の流れを 逆にすると、 動いている力が 電気に変わり、 速度が落ちます。
これを「回生ブレーキ」 と言います。
作られた電気は 他の列車で使えるので、 とてもエコです。
宇宙エレベーターとの共通点
共通点1:電気で動く
リニアモーターカーも 宇宙エレベーターも、 電気の力で動きます。
宇宙エレベーターの クライマー(乗り物)は、 電気モーターで ケーブルをはさんで 上っていきます。
電気は地上から レーザー光線で送ったり、 太陽光パネルで 作ったりします。
リニアと同じく、 ガソリンなどの 燃料は使いません。
環境に優しく、 燃料切れの心配も ありません。
共通点2:回生ブレーキを使う
リニアモーターカーの 回生ブレーキは、 宇宙エレベーターでも 使われます。
宇宙エレベーターが 下りてくるときに、 ブレーキをかけると 電気が作られます。
その電気は、 次に上るクライマーの 電力になります。
電気を無駄にしない 素晴らしい仕組みです。
リニアで実証された この技術が、 宇宙でも活躍するのです。
共通点3:摩擦が少ない
リニアモーターカーは 浮いているので、 レールとの摩擦が ありません。
宇宙エレベーターは 浮いてはいませんが、 特殊な素材で 摩擦を減らしています。
ケーブルと接する部分に、 滑りやすい素材を 使っているのです。
摩擦が少ないと、 部品が摩耗しにくく、 メンテナンスの回数が 減ります。
長く安全に使えるのです。
共通点4:コンピューター制御
リニアモーターカーは、 高度なコンピューターで 制御されています。
速度、位置、 車体の傾きなど、 すべてをコンピューターが 管理します。
宇宙エレベーターも 同じです。
AIを搭載した コンピューターが、 速度や位置を 常に監視します。
異常があれば すぐに気づいて、 自動で対応します。
人間よりも 正確で安全なのです。
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違いから見える工夫
違い1:動く方向
リニアモーターカーは 横方向に走ります。
地面と平行に 動くのです。
宇宙エレベーターは 縦方向に動きます。
地球の中心から 宇宙に向かって まっすぐ上ります。
この違いがあるため、 重力の影響が 全く違います。
リニアは重力を 横から受けますが、 宇宙エレベーターは 重力に逆らって 上る必要があります。
違い2:距離と時間
リニアモーターカーは 東京・名古屋間の 約286キロメートルを 40分で走ります。
宇宙エレベーターは 地上から静止軌道まで 約3万6000キロメートルを 7日間かけて上ります。
距離は約130倍、 時間は約250倍も 違います。
だから、宇宙エレベーターは 故障しない信頼性が とても重要なのです。
違い3:速度の違い
リニアモーターカーは 時速500キロメートルで 走ります。
宇宙エレベーターは 時速200キロメートルで 上ります。
リニアの方が 速いですね。
でも、宇宙エレベーターは 安全性を最優先に この速度にしています。
速すぎると 止まるのが難しく、 乗っている人も 体調が悪くなります。
時速200キロメートルが ちょうど良いのです。
違い4:乗り心地
リニアモーターカーは 浮いているので、 とても滑らかな 乗り心地です。
振動もほとんど ありません。
宇宙エレベーターも 滑らかですが、 7日間も乗るので 広い空間が必要です。
クライマーの中には 個室や食堂、 トイレなどがあり、 快適に過ごせます。
リニアは短時間なので 座席だけですが、 宇宙エレベーターは ホテルのような 設備があるのです。
リニア技術が宇宙を拓く
実証された信頼性
リニアモーターカーは 1997年から 山梨県で実験を 続けています。
約28年間の 実験で、安全性と 信頼性が証明されました。
総走行距離は 100万キロメートルを 超えています。
この実績があるから、 宇宙エレベーターでも 同じ技術を安心して 使えるのです。
すでに実証された 技術を応用するのは、 ゼロから開発するより ずっと確実です。
日本の技術力が世界を変える
リニアモーターカーは 日本が開発した 世界最先端の技術です。
この技術が 宇宙エレベーターに 活かされることで、 日本が宇宙開発の リーダーになります。
新幹線が世界中に 輸出されたように、 宇宙エレベーターの 技術も世界に広がる かもしれません。
日本の技術が 人類の宇宙進出を 支えるのです。
環境に優しい宇宙開発
ロケットは打ち上げ時に 大量の二酸化炭素を 出します。
1回の打ち上げで 数百トンも出るのです。
でも、リニア技術を使った 宇宙エレベーターなら、 電気だけで動くので ほとんど二酸化炭素を 出しません。
太陽光発電を使えば、 完全にクリーンな 宇宙輸送が 実現します。
地球環境を守りながら 宇宙開発ができる 理想的な方法です。
次世代への技術継承
リニアモーターカーの 開発に携わった 技術者たちの知識が、 宇宙エレベーターに 受け継がれます。
電気制御の技術、 ブレーキの技術、 安全システムの技術。
これらは全て リニアで培われた ものです。
若い技術者たちが この技術を学び、 さらに発展させて 宇宙エレベーターを 完成させます。
技術は人から人へ 受け継がれて 進化していくのです。
【大林組】https://www.obayashi.co.jp/makebeyond/gallery/space-elevator-cm-30/
まとめ
リニアモーターカーと 宇宙エレベーターは、 電気で動き電気で止まる 同じ原理を使います。 回生ブレーキで エネルギーを無駄にせず、 摩擦を減らして 長く使える設計です。 リニアで28年間 実証された信頼性が、 宇宙エレベーターの 安全性を支えます。 2027年のリニア開業で さらに技術が磨かれ、 2050年の宇宙エレベーター 完成につながります。 日本の技術力が 環境に優しい宇宙開発を 実現し、人類の新しい 時代を切り拓くのです。
参考資料
- JR東海 リニア中央新幹線技術資料
- 一般社団法人 宇宙エレベーター協会
- 大林組 宇宙エレベーター建設構想
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